半たわみ

半たわみ性舗装は、アスファルト舗装とコンクリート舗装の長所を兼ね備えることを目的とした舗装方法です。まず、空隙（すきま）の多い特殊なアスファルト混合物（開粒度アスファルト混合物など）を敷きならし、その空隙に浸透性の高い特殊なセメントミルクを流し込んで硬化させ、一体化させた構造を持ちます。

最大のメリットは、アスファルトの持つ「たわみ性（柔軟性）」と、セメントコンクリートの持つ「剛性（強固さ）」をバランス良く発揮できる点です。これにより、車両の走行によるひび割れが起きにくく、かつ重車両の荷重や流動、摩耗、油類にも強いという優れた耐久性を実現します。そのため、交差点、バス停、料金所、トンネル内、工場構内、物流施設など、特に過酷な交通条件や使用条件の場所に有効です。また、セメントミルクの色調により、路面を明色化することも可能です。

アスファルト混合物とセメントミルクという異なる材料を組み合わせるため、材料費や施工費が通常のアスファルト舗装やコンクリート舗装単独よりも高くなる傾向があります。施工においては、アスファルト混合物の適切な空隙率の確保や、セメントミルクの均一な浸透など、専門的な技術と緻密な品質管理が求められます。